このページでは、ポートレート撮影をこれから始める方・もっと上手くなりたい方のために、構図・設定・表情・編集までを体系的にまとめました。撮影前のチェックリストやSNS活用法までカバーしています。
1. 撮影前の準備
1-1. 撮影イメージの明確化と共有
- 撮影の目的を整理:ポートフォリオ用、SNS投稿、商品PR、記念写真 etc.
- 撮影テーマ・雰囲気を決める:ナチュラル、モード、キュート、シック、ドラマチック etc.
- どんな印象を残したいかをあらかじめモデルと共有
- イメージに合った世界観となるような服装、小物を用意する
1-2. ロケーション・ポージングイメージを固める
- 背景に抜け感があり、人が映り込みにくい場所を探す
- 場所ごとにどのようなポージングや画角で撮りたいか参考画像をPinterestなどでまとめておく
- 可能であれば日差しの向き・木陰など自然光の状態を事前チェック
1-3. 持ち物チェックリスト
- 基本:カメラ/レンズ/バッテリ/予備カメラ・レンズ・バッテリ/SDカード/LEDライト
- 必要性に応じて準備:三脚/レフ版/ストロボ
- サポート用品:虫除けスプレー/カメラ用クロス/飲み物/ウェットティッシュ/タオル/日焼け止め/レジャーシート/ビニール袋/絆創膏
2. 撮影時のテクニック
2-1. カメラ設定の基本
設定項目 | 設定目安 | ポイント・効果 |
---|---|---|
① 絞り(F値) | F1.4〜F2.8(単焦点) F2.8〜F4.0(ズーム) | 背景を美しくぼかして被写体を引き立てる。 目にピントを合わせるのがコツ。 ただし、景色が美しい場所はF値を下げてはいけにもピントを合わせる |
② シャッタースピード | 1/125秒以上(屋外) 1/250秒以上(動きがある場合) | 手ブレや被写体ブレを防ぐ。 明るすぎる時はNDフィルターも有効。 |
③ ISO感度 | ISO 100〜400(明るい場所) ISO 800〜1600(暗めの屋内) | できるだけ低ISOでノイズを防止。 明るさ調整はF値やシャッターで。 |
④ フォーカスモード | AF-S(シングルAF) +顔・瞳AF | 瞳にしっかりピントを合わせる。 動きがある場合はAF-Cに切り替え。 |
⑤ ホワイトバランス | 太陽光・曇天・カスタム | 肌色が美しくなるように設定。 RAW撮影なら後から調整も可能。 |
⑥ 撮影モード | Aモード(Av) =絞り優先モード | 背景ボケの調整がしやすく、 シャッタースピードは自動で安心。 |
⑦ 撮影形式 | RAW+JPEG | RAW:編集しやすい JPEG:すぐ確認・共有できる |
2-2. 構図のパターンと使いどころ
構図名 | 特徴・効果 |
---|---|
① 三分割構図 (ルール・オブ・サード) | 画面を縦横3分割し、交点や線上に被写体を配置。バランスが良く、自然な視線誘導ができる基本構図。 |
② 中心構図 (シンメトリー構図) | 被写体を中央に配置。存在感や安定感、威厳を演出。左右対称の背景と相性が良い。 |
③ 対角線構図 | 被写体や背景の要素を対角線に沿って配置。奥行きや動きを感じさせる構図。 |
④ フレーミング構図 | 窓や木の枝、建物の枠などで被写体を囲む。視線が自然と被写体に集中する構図。 |
⑤ 余白構図 (ネガティブスペース構図) | 被写体の周囲に空白を大きく取ることで、開放感・孤独感・洗練された印象を演出。 |
⑥ アイレベル構図 (目線の高さ) | 被写体と同じ目線で撮影。自然体で親しみやすく、表情を強調したいときに有効。 |
⑦ ローアングル構図 | 下から見上げるアングル。力強さ、威厳、スタイルの良さや脚長効果を演出。 |
⑧ ハイアングル構図 | 上から見下ろすアングル。かわいらしさ、儚さ、無防備さを表現しやすい構図。 |
⑨ 黄金比構図 (1:1.618) | 自然界に多く見られる理想的な比率。視覚的に美しく、動きと調和を両立した構図。 |
⑩ 白銀比構図 (1:1.414) | 日本文化やデザインに多く使われる比率。落ち着きと上品さ、親しみやすさを与える。 |
2-3. 距離と目線で印象を操作する
- 見上げ:力強さや主役感
- 見下ろし:可愛さ・やわらかさ
3. モデルとの関係性と表情の引き出し方
3-1. 表情を引き出すテクニック
- 雑談をしながら「自然な笑顔」が出る瞬間を狙う
- ポーズの前に「一呼吸入れて」リラックスさせる
3-2. ポージング指示のポイント
- 具体的な指示(「顔を少し右へ」「目線を左上へ」など)
- OKショットを見せて「これすごくいい!」と安心させる
4. 編集・レタッチの基本
4-1. Lightroomでの基本補正
- 肌の明るさと滑らかさを調整
- 背景の彩度を抑えて主役を引き立てる
4-2. トリミングと再構図
- 余計な余白・被写体の頭切れなどを補正
5. SNS活用・見せ方の工夫
5-1. Instagram投稿の最適サイズ
- 縦長推奨(1350×1080px)で没入感を演出
- シャドウを消して明るめに仕上げるといいね率UP
5-2. 書き方例・ハッシュタグ
「日常の中に、ふと光が差し込んだ。」 #ポートレート #春フォト #portrait_japan
6. よくある質問・便利ツール
6-1. 初心者が最初に買うべき機材は?
軽量な単焦点レンズ(F1.8)付きミラーレスカメラがおすすめ。
6-2. 撮影後の納品方法は?
Googleフォト・ギガファイル便・DropboxのURL送付が一般的。ZIP形式推奨。